八事ガーデンが建っているのは八事・唐山層という地層の上です。そして小さな分水嶺のような所ですので、長年の間に砂は流出してしまっているのか、どこを掘っても礫と赤土、一部粘土が出てくるばかりの所です。石ころだらけのやせた土地にはかつてマツがたくさん生えていました。しかしそのマツも酸性雨や気候の温暖化で弱っているところへマツノザイセンチュウに入られ、数える程の本数になってしまいました。
多くのマツを失った後、大きく空を覆っていたコナラ、アベマキなどドングリのなる木も今度はカシノナガキクイムシの侵入を受けかなりの木が枯れたり、腐朽菌に入られ株元にサルノコシカケなどが生えているという状況です。そして現在中間層にはカシ・シイ類、クス、ネズミモチ、ヒサカキ、サカキ、カクレミノ、アオキなどといった常緑広葉樹が沢山育ってきています、ほおっておけばやがては地面に木もれ日のまったく射さない真っ暗な極相林へ、という流れに対しどうするかを、今私たちは問われています。
以上のような現状認識の上に立って周りの森を、西の森、北西の森、北の森、東の森、南の森と大きく五つのエリアに分け、各森が一つずつ個性的な森に育っていくことを願い、それぞれ担当者を決め日常の作業等進めています。
「西の森」は公開空地となっており、近隣の皆様にも四季の散歩道として散策等楽しんでいただいています。設立当初は周遊する森の道にフィールドアスレチックがあったのですが、老朽化し現在は撤去されています。
「西の森」の西入口右手には「アズキナシ」が生えており、春には小さな白い花をいっぱいにつけ、秋にはかわいい赤い実をたくさんつけます。また「八事ガーデン四季の散歩道」の中ほどには「ネジキ」が何本も生え、このすずらん型の白い花も魅力です。
森全体を見ると、かつては松中心の森でしたが、マツガレ病のため松も随分少なくなり、現在は「アベマキ」「コナラ」などどんぐりのなる木が空をおおっています。
しかし、この地でも「カシノナガキクイムシ」( 通称カシナガ )の被害を受けているものがほとんどで、今後がとても心配です。これらの大木の下には「カクレミノ」「ネズミモチ」「ヒサカキ」「アオキ」などの常緑樹が生えてきています。
「緑と花の会」では、マツやソヨゴが枯れた後の小さなギャップなどに季節を楽しめる花や木を植えています。
モミジ (イロハモミジ、ノムラモミジ、サンゴカクモミジ、イタヤカエデなど)
ツツジ (ゲンカイツツジ、ミツバツツジ、ヤマツツジなど)
ワビスケツバキ、サザンカ「富士の峰」、ツワブキなど
この森も高木はコナラ、アベマキです。南部分にアズキナシが、中央部にタカノツメが生え
ています。
西公道沿いに、ハナミズキ、ツバキなどを列植したのですが、なかなかうまく育っていません。ただしハギは調子良さそうです。
北公道沿いに植えたサザンカ、シャクナゲはがんばって季節に花を見せてくれます。
その他、山野草では、ギンランが自生していますし、会員が植えたヤマシャクもふえてきています。
またこの森の入口にはブルーベリーやサクランボを植えましたが、現在は小鳥たちを呼ぶ餌というところです。
シャクナゲ「屋久島」、「花まつり」、「五頭錦」
サクラ「河津桜」、「寒緋桜」
ヤマボウシ、ノムラモミジ、ハギ、クチナシ、ブルーベリー、ジューンベリー、ブラックベリー、ヤマブドウ、ワレモコウ、オミナエシ、ヤマシャク、シランなど
以前はケヤキやクス、シイの大木の間にササなどが生い繁って、掻き分け1m進むのも難儀という場所でしたが、ササをほぼ除去したおかげで、今では小さな子ども達や高齢の方々にも四季を楽しんでいただける場所となっています。
毎年この森ではシニアの会主催の「春のお茶会」や子供会、シニアの会、緑と花の会等共催の「年末もちつき大会」などが開かれています。
自生地や植物園へ行かなくても身近に見ることができるといいかな、そしてどうせ世話するのなら手のかかる難しいものも・・・と、名古屋市内では育てにくいと言われているものも植えています。
シャクナゲ ( ホンシャクナゲ、ヤクシマシャクナゲ、ツクシシャクナゲ、五頭錦、雪化粧、モーニングマジック、他 )
椿 ( 白侘助、玉之浦、白鳳、日光、羽衣侘助、桃清司、エレガントスプレンダー、ベティシェフィールドシルバー、ポップコーン、他、)
モミジ ( 五月紅、珊瑚閣、琴の糸、舞孔雀、青枝垂れ、イロハ 他)
リンゴ ( フジ、アルプス乙女、メイちゃんの瞳、クラブアップル「レモイネ」 )
アジサイ( カシワバ、アナベル、ブラッシングホワイト、パリジェンヌ、古代紫、ヤマアジサイ( 白、紫 ) 他 )
バラ ( ウェッジウッドローズ、ペレニアルブラッシュ、スパニッシュビューティー、サマースノー、レディーヒリンドン、ポールズヒマラヤンムスク、ジュリア、ラ・マリエ他 )
その他 ( 八重紅枝垂れ桜、一葉、八重寒緋桜、紅枝垂れ梅、鹿児島紅、利休梅、スズランノキ、ナツツバキ、コブシ、ボタン「天衣」、アカヤシオツツジ、、クレマティス「踊場」「アンスンエンシス」、クリスマスローズ八重糸ピコ他、サツキ盆栽仕立て 他 )
この森の多くの樹木は住民の方々からの寄付等によって購入したものです。
東の森は八事ガーデンの中では西の森と1、2位を争う広さの森ですが、まわりをフェンスで囲まれ、入り口には鍵がかけられています。
過去に一度、枯れたまま立っていたり、傾いている高木を伐採し下刈りをしましたが、それから十年が経ちました。マツは5本残っているのみで、高木はコナラ、アベマキです。その下にはカシ、シイ、クス、ネズミモチ、ヒサカキ、サカキ等が沢山生え、東側の一端にはクマザサが生えていますがかなり暗い森となっています。
数年前この森の南端のコナラが「カシナガ」の被害にあい一度に6本も枯れてしまいました。
そこでその跡にサザンカ、ロウバイ、スダチを植えました。また東側公道ぞいの南5分の1程にワビスケツバキ、サザンカなどを植えました。
また北の端のコナラも「カシナガ」被害にあい枯れ込んできましたので、伐採し、かわりにタラ、ポポー、ミカンを植えてみました。
さらに、枯れたコナラの幹を使って実験的にシイタケ菌を打ってみましたが、非常に素晴らしいキノコがとれることが判明しました。
退職年齢の住民も多くなってきましたので、この森を住民の力でもう少し魅力ある森にできないだろうかと考えています。
ワビスケツバキ、サザンカ、アジサイ、ハギ、ドウダンツツジ、モミノキ、ロウバイ、ユズ
南の森はマンションが設立された当初は随分広い森だったのですが、その後名古屋市へ道路用地として提供したので、今は東西に分かれた一部が残っているだけです。
その西の部分には、比較的最近までマツがかなり生え、他は数本のコナラやアベマキに下生えという様相だったのですが、マツ枯れで全ての高木のマツを失い、今は一部にマツの実生が少し生えてきています。この森は一番館の1~4号室窓辺に接していますので、木が枯れた後に、モミジ、サクラ、ウメ、黄実のクロガネモチ、ミニタイサンボク、ヤマツツジ、オオヤマレンゲなどを植え育てています。
また東の部分は鍵がかけられ自由に入ることはできませんが、その中程にかなり大きなカクレミノの木がはえています。会としては緑の活動のついでがある時に入って、下生え等の整理をしています。
ツバキ、( シロワビスケ、淡ワビスケ、西王母、一休など)
ロウバイ、ヒメコブシ、白梅、枝垂れ梅、暖地黄桃、イロハモミジ、サクラ( 一葉 )、黄実のクロガネモチ、ヒメタイサンボク、モッコウバラ、ヤマツツジ、ハギ、ドウダンツツジ、オオヤマレンゲなど